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日 付
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2003/12/21 |
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おはようございます! 現在、朝の7時。朝食を食べています。
朝9時に迎えの大型バスがホテルに到着。部員達は荷物を入れ、一路ボストンへ向かった。 私はバスの中では、木宮監督が持参した旅行本『個人旅行 アメリカ東海岸(フロリダ)38:昭文社発行』でボストンの情報を調べていた。 ボストンは人口57万4300人ほどで、それほど大きな都市というわけではない。しかしこの落ち着いた街並みは、米国の歴史の中では最も重要な役割を果たした場所の一つ。政治や経済、学問的にも現在も中心地となっている。 本をペラペラめくっていると、あるページに目がとまった。 セーラム(魔女裁判の町) ⇒Priceless お金では買えないせーラムの旅 何じゃこら?魔女美術館?ほう、結構面白そうだな。 手前味噌で恐縮だが、昔から私はこういう一風変わった旅行が好きである。 ここで私が体験した旅行の中で、特に印象深い旅を一つ紹介させて頂きたい。 ************************************************************************************************ 時は1995年。バブル崩壊後の日本。 大学時代、当時、ミャンマー(昔のビルマ)に、美登路さんという外務省に働いていた先輩がいた。 ミャンマー:古くは「ビルマの竪琴」、最近ではアウンサンスーチーとそれに対峙する軍政、一般的なミャンマーのイメージといえばこの程度だろうか。インドや中国といった地域大国と国境を接し、隣国のタイとは長年戦いを繰り返してきた。現在でも国を取り巻く政治状況は厳しく、国内経済は破綻に近い状況だが、人々は素朴で驚くほど親切だ。豊かに残された自然や、国中に点在する仏教遺跡など、見どころにもこと欠かない。一度行くと必ずまた行きたくなる、そんな魅力がこの国にはある。 しかし、ここで美登路先輩が一言、 『入国審査の場所で、2万円ぐらい要求されるかもしれないよ』 『エッ?2万円?』 ミャンマーでは、外国人旅行者は係員にビザのチェックを受け、FITビザの場合はUS$200もしくは相当額の外貨を200FEC(外貨兌換券)へ強制的に両替させられる。その際トラベラーズチェックは、手数料としてUS$2取られる。US$200の強制両替についてはビザの発給の際に告知されていることでもあり、しつこくゴネると入国拒否という可能性もある。 つまり、簡単に言うと、 ミャンマーへ観光に来た外国人旅行者は、約2万円ぐらいミャンマーでお金を使いなさい! ということらしい(現在の状況はしらないが・・・)。この外貨兌換券は日本では円に換えることができず、つまりそのFECを使い切るしか方法はないのである。 しかし、大学時代の先輩というのは心強いもの! 『当日、空港に迎えに行くから心配しなくていいよ。俺が担当官に言うから。支払わなくても良いんじゃない。』 カッチョ良い〜!さすが天下の外務省!学生時代の2万円は大金だ。 『ありがとうございます!よろしく御願いしまっす!』と電話を切った。
⇒⇒⇒⇒⇒ 数週間後 ミャンマー国際空港入国審査
辺りに美登路先輩は見当たらない。いない・・・。いない・・・。 いるのは、 機関銃と拳銃を構える軍関係者らしき人達。 ものすごい不安にかられる私。 ビザの手続きを終え、この後待っていたのは・・・。 『2万円支払いなさい!』の担当官。 『エッ?エッ?いや〜、マイ先輩、カムスーン』どぎまぎする私。 拳銃を持っている担当官の目は冷ややかである。軍事国家 ミャンマー すると、後ろからテレビのヒーローのように現われた美登路先輩! 美登路先輩:『すまん!すまん!遅くなって!FEC支払った?』 『いえ、まだですけど・・・』と安心する私。 すると、外交官手帳みたいなものを見せて、美登路先輩は一言、 『He is diplomat(彼は外交官です)』と言い放ったのだ! エッッッッ!違う!違う!私のパスポートのビザにはちゃんと、観光旅行のビザの印が押してある! もちろん、担当官の答えは、 『NO!!!!!!!!!!!!!!!』 機関銃を持っている軍関係者らしき人達も集まりだした!外交問題になったら大変だ! 『払います!払いますから!』と財布からクシャクシャになったお札を支払った。 ※その後、美登路先輩はFECと、自分の日本円を換えてくれました・・・。その節は、本当に有難うございました。 ***************************************************************************************
そして約2時間30分後、ボストンのDays Hotel Bostonに到着(写真はロビーで説明を受けている所) 本日の予定は午前中、ボストン美術館!そして夕方からはNBA観戦である。 部屋決めをして、また小泉君と一緒に部屋に向かった・・・。
用意をすませ、まずは昼食。ホテル近くのマクドナルドで食べることになった。 しかし、遠征6日目。スタッフにとっては、さすがに重たい食事である。 木宮監督と青木コーチ、そして私はその横にあるスーパーマーケットでお寿司を買って食べた。
食事を終え、徒歩で地下鉄に向かったランブラーズ。 アメリカの地下鉄。よく映画などで出てくるが、本当に怖い雰囲気をかもし出している(木宮監督も大学時代、シカゴの地下鉄で酷い目にあったそうだ)。 小形は、襲われた時のことを想定して、投げっぱなしジャーマンを力説している。心強いガードマンである。
約30分後、地下鉄ハーバード駅に到着した私達。 そこには日本の地下鉄には無い物があった。 それはトークン($1)。 ボストンという都市は、米国の中で最も公共交通網が使いやすい都市の一つで、ほとんどの観光スポットへは、『T』という愛称で親しまれている地下鉄を利用していける。『T』を使いこなせば、ボストン観光の通、とも言われている。お金を入れると、『T』のマークのコインが出てきて、それが切符代わりとなっている。写真はトークン発行機である。 お金($1)を入れて、トークンを購入する部員達。 $1紙幣が無かった私は$10紙幣を入れてトークン購入。すると、 ジャカジャカジャカジャカ!!!!!! スロットで大当たりした時の如く、大量のコインが出てきたではないか!思わず、横にいたカナエちゃんに 『トークンが当たった!』と喜ぶ私に、ジョッシュが一言・・・。 『それトークン発行機じゃなくて、両替機だよ』と突っ込みを入れた。 ・・・
そして約30分後、目的地ボストン美術館に到着! 絶対に行きたがっていた中川が、『やっぱ、美術館は良いですね〜。』と喜ぶ。 フロントでチケットを購入し、さっそく館内へ。 ボストン美術館はとても大きく迷路になるぐらいである。 奥田と勇太、小野は真剣な眼差しでエジプト美術を観ている。 普段、バスケットの時は凛々しい顔つきでプレーをしているだけに、文化的な面を持っているととってもカッコいい。 『へぇ〜、こんな一面もあるんだ。感心!』と感じた私。 カナエちゃんは、映画『タイタニック』で出てきた絵画を観て『これ!タイタニックで観た!』と喜んでいた。 約2時間のボストン美術館を見学し、ロビー前に集合。 さぁ〜!これからがアメリカ遠征メインイベントの一つ! NBA(ボストン・セルティックス vs フィラデルフィア・76ers) あの観客が熱狂的に応援する雰囲気がたまらない! 地下鉄に乗り込み、体育館を目指した。 午後4時。ノースステーション駅に到着。歩いて5分の所にあるリートセンターへ移動。 入り口には大勢の人達が開始時間を待っている。 浜松大学バスケットボール部は特別に、試合前コートサイドで記念撮影が撮れるらしい! 喜ぶ羊達。 しかし、試合開始1時間前、体育館入場の時。 手荷物を持っては入ってはいけない!と警備員に告げられた。 2001年9月11日にアメリカで起こった同時多発テロ事件以降、セキュリティーが強化されたNBAでは手荷物を持ち込めず、急遽、高澤さん、三浦さん、私の3人が手荷物を駐車場の車に入れに行くことになった。 駐車場では高澤さんと三浦さんが、『もし、何かあったら心配ですから荷物を見張っておきます。山田さんは試合観に行ってください』と言ってくれた。 テクテクと体育館に戻ると、何と入り口にビル先生が待っていた。 すると、ビル先生は『お疲れ様!君に少しの時間だけ夢を見せてあげよう』と語りかけた。 ハッ?夢?今、ドリームっていったけど・・・。何じゃらほい? ビル先生は、観客がたくさんいる入り口とは、逆の狭い廊下へ向かって歩き出した。 どこに行くんだろう・・・。 狭い廊下の向こう側にはエレベーターがあった。前には警備員が立っている。 すると、ビル先生の胸ポケットからチラリと出したキラキラ光るプレミアムチケット! 警備員がドアのスイッチを押し、扉が開く。エレベーターの中にも警備員が立っている。 1階 >>>>> 2階 >>>>> 3階 >>>>> チーン♪ 扉が開き、状況がつかめないまま、辺りを見渡す私。 そこは、何とNBAフリートセンター体育館の舞台裏であった。
コートを横切り、コート目の前のシートに座ったビル先生と私。これから一生、経験できないだろうこのS席シートに緊張する。
ビル先生は『タカ(=木宮監督)のチケットも用意してあるから、行って呼んできて欲しい』とチケットを私に渡した。すぐさま、木宮監督の元へ行き、事情を伝えコートサイドへ。
セルティックスのエース、ポールピアスのアウトサイドシュートが決まると、体育館が壊れんばかりの大歓声!
チャララッチャラー♪ オー♪ 木宮監督も思わず仰け反る(写真左)! また超高速アリュープダンクが決まると、ボルテージは最高潮へ。 そこでフリートセンター名物 ラウダーボイス(大きな声をあげろ!) コート中央の電光掲示板に表示されるボルテージ!観客が大きな声をあげると、どんどん上がってくる! ウォ〜!ワー!ヤー!F佳pらyお澄ヴj!
体勢を崩しても、フェードシュートを決める! そして最終的に87対84で逆転勝利!ホームはお祭りの如く盛り上がった。 試合終了後、興奮するランブラーズ。
マネージャーのカナエちゃんとユウちゃんは、ポールピアスのレプリカユニフォーム、中川、熊谷、藤田は応援グッズを持って観戦していた様子だ。 体育館の外では、阪神タイガースが優勝した時のようなお祭り騒ぎ! 本当にバスケットを愛している国だな〜、と実感した。 出口に全員集まった所で、ここでお別れとなるビル先生に村上が代表で御礼を言った。
ビル先生は『楽しめましたか。また、一緒にバスケットをしましょう。』と笑顔で話してくれた。 また、会える日を楽しみにしています。本当に有難うございました!ビル先生! >>>>>>>>>>>>>> 地下鉄ノースステーション駅
この地下鉄。昼間とはうって変わって怖い雰囲気をかもし出している。 みんな、何故か黙ったままハーバード駅に到着。
ハーバード駅からホテルまで、部員達はNBAの話題を楽しそうに話していた。 近い未来、日本人、願わくばこの中からNBA選手が出て欲しい。そう思った瞬間だった。
部屋では小泉が『本当にアメリカに来て良かったです』と話してくれた。 スタッフとして、この言葉は嬉しいものである。 明日でアメリカ滞在最後の日・・・。最後にどんな事件が待っているやら・・・。
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