セーラムの魔女裁判16世紀末〜17世紀後半にヨーロッパで荒れ狂った【魔女狩り】が鎮静しかけた頃、「新世界」のはずのニュー・イングランドで、再び魔女達の処刑が始まった。 |
![]() |
静かな港町の過去とは・・・魔女狩りは14世紀頃から始まり、17世紀前半をピークにヨーロッパ各地で行われた。ドイツだけでも3万人以上の人々が火刑で虐殺されただろうと言われている。ヨーロッパの旧弊な足かせや不条理から逃れ、新しい社会を作ろうとニュー・イングランドにやってきた清教徒の人々も、【魔女の恐怖】から逃れることはできなかった。 「あいつは魔女よ!」と叫ぶ子ども達 1691年の冬のある夜、セーラムのサミュエル・パリス牧師の家に集まった子ども達は、タイテューバという名の西インド諸島からきた奴隷の女性を囲んで、未来を占う術を教えてもらっていた。そのうち、子ども達はひきつけを起こし、体を痙攣させて異様な声をあげ始めた。慌てて駆けつけた牧師や医師は、『これは悪魔のしわざだ!』と断定。子供たちはタイテューバと2人の女性が『悪魔のしもべだ』と証言した。これがセーラムの魔女狩りの始まりだった。 「魔女狩り」は過去のものか 17世紀末、セーラムの人々は英国本国から課せられる重税、海賊の横行、天然痘の流行など、様々な困難に直面していた。人々の緊張や不安が「悪魔」を生んだともいえるだろう。 |