日 付

2001年12月10日(月曜日) 晴れ

 午前7時30分、寒さが肌に染みる浜松大学で続々と部員達が集まる。この日は待ちに待ったアメリカ遠征日。各自両手一杯にバックを持ち出発時間を待つ。午前8時15分、ドアが閉まると同時に、バスは名古屋空港に向けて動き出した。車内でアメリカ遠征のプランを楽しそうに話す部員達を横目に、前日の東西オールスター戦のためか、倉澤健二とアイザックはかなり疲れた様子。
 午後8時30分、突然車内が笑いの声が聞こえた。何かと窓を見ると、『GO RAMBLERS』『TO USA』とダンボールを掲げてアメリカ遠征組見送る小川と渡部。何やら太郎の話では徹夜でネタを考えて、朝の7時30分から浜松西インターで待機していたようだ。本当に仲間意識の強い小川と渡部らしい見送りだ。
 午後10時50分、羊達一行は名古屋空港に到着。飛行機が初めてという部員もいて、かなり緊張した面持ちで出国手続きを済ませる。そして免税店で買い物を済ませ、飛行機に乗り込む。午前10時40分、部員達を乗せたNW074便がアメリカ合衆国に向けて離陸した。
 アメリカ本土まで約12時間。長時間のフライトに備えて飛行機の中では、ゲームや雑誌、小説や映画を楽しむ部員達。しかし夕食後、次々と睡魔に負けて瞼を閉じていく眠れる羊達だが、一人、木宮監督は熱心に読書をしている。なにやら上級者ゴルフ者の心理的な問題に関する小説のようだが、ボールに当てることがやっとの私にとっては書いてあること自体が難しい。そして私も部員達と同じく瞼を閉じた。
 午前9時35分(米国時間)、アメリカ合衆国、デトロイト・メトロポリタン空港に到着。デトロイト空港の入国審査で30分以上も質問され続けた太郎は肩を落としていた。あまり英語が得意ではない彼にとって『サイト・シーン』『ナイン・デイ』しか答えられなかったのが原因のようだ。その真後ろにいた青木コーチまでも疲れ果てた様子。
 午後12時25分、ボストン・ローガン空港に向けて再度、NW380便に乗り込む。そして約2時間後、ボストン・ローガン空港に到着。空港にはスペシャルバスが待っていた。前回のスペシャルバンを予想していた倉澤と平山には笑顔がこぼれた。そしてバスに乗ること2時間。ホテル手前のアウトレットで、日用品を購入。しかし当の部員達はスポーツ店に駆け込み格安のバッシュに感動していた。午後5時、これから生活するホテル『スティール・ヒル・リゾート』に到着。そのホテルにはプールやラケットボール、サウナそしてゲームセンター(パックパンやピンボールなど、かなり懐かしいゲームばかり)があった。午後5時30分、ビル・ミラー氏の歓迎と宿泊施設の説明を受けた。
 夕食は各部屋のキッチンで自炊。意外と部員達の腕前はよく、味も良かった。それぞれ個性を活かした料理を楽しそうに作る。その中でも工藤は、同じ部屋の青木コーチから『料理長』を任命されるほどの腕前。
 そして夜、賑やかな食卓で明日からのアメリカ遠征に期待を膨らませる部員達だった。