2009/10/19 女子1部昇格

  第80回東海学生バスケットボールリーグ戦(女子1部⇔2部入替戦)が行われ常葉学園大学(1部6位)と対戦。第1試合は89対71で、第2試合は84対73で2勝し、浜松大学女子バスケットボール部は1部に昇格しました。
  これも一重に、無知の指導者を蔭ながら支えて頂いた保護者の皆様方、選手の進路や練習試合など多大なるご理解を賜りました高校の先生方、昨年まで女子部を裏から支えて頂きました村上佳司先生(天理大学)・衛藤晃平氏(bj富山グラウジーズ)、創部時に女子部に尽力した萱嶋由樹さん(旧姓:木村)、大学の教職員の皆様方、基礎トレーニングや筋力トレーニングの指導など嫌われ役を続けてくれた心身マネジメント学科のトレーナーの3名の学生、土台を作り上げた卒業生、そしてご協力賜りました大勢の方々のお陰だと感謝している次第であります。この場をお借りして感謝の気持ちを伝えさせて頂きます。
  本当に有難うございました。
  引き続き、今週末から秋季静岡県学生バスケットボールトーナメント大会が行われます。ご観戦、よろしくお願いいたします。


 1部昇格。
  女子バスケットボール部のコーチとして6年目。創部以来の最大のチーム目標を達成することができたことに喜悦すも、今の正直な気持ちとしては、重責から開放されたというのが事実である。

 思い起こすと1部との入替戦は3度目。中京大学(2006)愛知大学(2008)と続き、今年は奇しくも常葉学園大学。過去に1部強豪校の選手と互角に戦えるプレーヤーが揃っていながら、全ての試合で1勝も挙げることができなかったのは、コーチとしてプレーヤーを生かすことができなかったと猛省の念と同時に、卒業生が築いてくれた土台を踏み台として、チームとはこうして一歩一歩作られていくものだと再認識した次第である。
 
  この入替戦の2連戦。2004年の創部以来、直接対決で常葉大には勝利したことは一度もなく、しかも今年の春季静岡県リーグ戦で大敗をきしたチームである。
  センターフォワードでキャプテンの#4武藤はリバウンド・ジャンプシュート・ドライブをかね揃えたプレーヤーである。少なくとも春先は彼女のオフェンスとリバウンドに完敗した。#5の海野はディフェンスを最も頑張るプレーヤーで、またショートコーナーにあるボールにあわせてハイポストからのカッティングは脅威であった。#7の池谷はクイックネスとスピード、シュート力・パス力ともに抜群のセンスを持っており強い精神力をもかねそろえた、知る限りの静岡県・東海トップガードである。#10の佐野は知的でスマートなポイントガードで、ミドルドライブからのノーマークを見つけるキックアウトは絶妙で、しかも3ポイント力もある。#11の山口はパワードリブルからの得点を重ねる。浜大の羊達は良く知っているが、彼女のプレーは小生の最も好むスタイルであり、女子の試合では止めるのが難しく、入替戦でも2試合とも20点をマークされた(県大会では彼女を止めることが急務となるだろう)。#12の滝本はこのシーズン、最も成長したプレーヤーと試合前のスカウティングや他の指導者・コーチ陣もそろって高い評価をしていた。彼女のジャンプシュートとリバウンドは最後の最後まで羊達を苦しめたのは事実ある。#18長谷川の3ポイント力を止めることもチーム課題の一つであった。
  このような背景のもと、あわよくば入替戦は常葉大以外のチームと対戦したい、という気持ちが出るのは当然で、小生を含めコーチ・選手も常葉大に対する苦手意識は強かった

 本大会、全ての入替戦に試合の局面があったが、浜松大学女子バスケ部の最大なる試練の時は、56対61の5点ビハインドで迎えた第2試合の第4クオーターであった。

 前日の第1試合で18点差で勝利しており、戦略としてはゲームテンポを遅くし、試合をハーフコートでコントロールすれば上手く試合運びができる、と考えていた。が、残り7分で戦術が裏目に出た。消極的なバスケットとファールトラブルでリズムは完全に常葉大。相手のバスカン、ターンオーバーからの速攻も決まり得点差が最大12点差まで広がり、また主力メンバーのほとんどがファールトラブル。



その局面を救ったのが甲斐(1年/延岡高校)の3ポイントと4ポイントプレーであった。極度の緊張の中、途中出場の甲斐がリズムを変える逆転シュートをよく決めてくれた。





その後、キャプテンの渥美を強い軸に(試合終盤の2本連続の3ポイントで試合は決まった)、司令塔の松下のドライブとアシスト(今シーズンは大会としての受賞・タイトルこそなかったが、最優秀選手・優秀選手と並ぶ活躍をしてくれた)、名実共にエースとなった安田の3ポイント、今シーズン我慢し続け裏方のリバウンドに徹してチームを支えた長島のリバウンドで、残り2分で同点に追いつき、そのまま逆転をすることができた。









過去様々なドラマ生み出してくれた羊達であるが、この入替戦も強い思い出に残る素晴らしい試合の一つとなった。

 人はある強い出来事や刺激が起こると存在意識(OS)に変化が起きる。逆に、強い刺激がないと存在レベルは変わらないということにもなるが…。
  ※OSが変化するのは良悪論を示しているのではなく、あくまでも存在意識における変化であることを記す

 個性的な選手が揃うランブラーズの羊達がもたらした最高のエンディングに、小生が感じ、実感し、そして存在レベルが変化したことが一つある。

 「我」

 この存在の変化は、今後のバスケットボールの指導において大きな影響をもたらすと心から信じている。

 来年からは1部の強豪校との戦いが始まる。
  東海の名将とトップ選手が揃うこのリーグで戦えることを心から喜びを感じると同時に、強い恐怖と新たに生み出された重責から抜け出したい我がいる。

 最後に、三流コーチのもとで奮闘してくれた卒業生・在校生の素晴らしい選手に出会えバスケットができたことを感謝するとともに、プレーヤーを誇りに思う。

追記
コーチングの観点から、海外出張前の監督の木宮が入替戦直前に女子部に指導したオフェンス(ハイライン)の成功が残り2秒のゲームを制し、入替戦を決定付けたことを記す。