2009/09/24 男子1位通過/女子初優勝

  第80回東海学生バスケットボールリーグ戦(男子1部リーグ)が終了し、全勝で1位通過しました。
  また、女子は第80回東海学生バスケットボールリーグ戦(上位リーグ)が終了し、静岡大学に81対79、名古屋女子大学に79対56で勝利し、2部リーグ初優勝を果たしました。最優秀選手賞に安田美咲、優秀選手賞に渥美茉由、岩田望が選ばれました。10月17日・18日に入替戦があります。ご声援の程、よろしくお願いいたします。


  長い夏のリーグ戦が終了した。東海リーグ2部に所属し4年目。選手達の健闘により初優勝を飾ることができた。
 さて、2部リーグ初優勝し、備忘録をまとめる意味でも、一区切りとして前半シーズンを振り返りたい。

 ご存知のように春先は最低の結果であった。これは全てコーチの不徳の致す所である。東海トーナメントで中京大学B(後に中京Bはベスト3に入り、実力のあるチームであったことを証明したが)に敗退し、3年連続のベスト4のタイトルを逃した。また春の静岡県リーグでは常葉学園大学に72対84の12点差で負け準優勝に終わった。そして会長杯ではFreeクラブに83対91で負けて去年の戦績を上回ることができなかった。学生スポーツはとかく過去の戦績と照らし合わせられるものである。
  それでもキャプテンの渥美・副キャプテンの秋房は持ち前の明るさでチームを引っ張っていってくれた。が、けっしてお世辞にも良い状態ではなく、チーム内外で黒く渦巻く不信感と自信のなさがチーム内に充満していたことを思い出す。
  しかし、7月中旬からチーム状態は一転し、急速に良いエネルギーを持つ集団に変化したように感じている。なぜか・・・。

 さて、以下の内容に関しては、唯物論を否定しているのではなく、むしろ肯定していることをお断りしておく。また、宗教的な側面・概念は一切ないことも重ねて述べる。

 【行動・思考・存在】を知る
  小生を悩ませた半年間(4年間と言っても良いが・・・)。これからも悩ますもの。それは「バスケットボールの指導方法とは」の真理である。
  「この話をすれば選手が言うことを聞いてくれるのではないか?」
  「この練習をすれば、きっとプレーヤーは理解してくれる」
・・・と。
 しかし、実際に事象は間逆に動くことが多く、けっして自分の思い通りには行かない。
  また、「良いバスケットボールの指導とは?」 「理想のコーチ像は???」の問いは、個人の価値観であり永遠のループを描き答えがでない。
  まさしく古代ギリシャのイデア論(プラトン/BC428-BC348)である。
 
  しかし、ある出会いが心を変えた。
  砂子岳彦教授。科学基礎論を専門とする先生の考え・研究が、小生の価値観に革命をもたらし、チームにも変化をもたらせたのではないか。
 
  多くの指導の場合、【思考】が原因で悩む。つまり【考える】ことで自分自身を苦しめることになるのである。人間の【思考】とはまさしく厄介なもので、大切な「現在」を感じるのではなく、既に終わってしまった「過去」のデータを元に、将来まだ起こっていもいない「未来」を考え苦しむ。

 日常の生活では、「これだけ景気が悪いニュースが流れている(過去)ので、就職ができなければ・・・(未来)」、「彼女と言い合い・喧嘩した(過去)ので、此方からは連絡を取らない方が良いだろう・・・(未来)」、「友達があんなことを言っている(過去)ので、絶対に悪く思っているに違いない・・・(未来)」
  人間が【思考】でやられる典型的パターンである。過去と未来・・・

 また、過去の成功事例も人間を悩ませる。
  「高校時代に全国を優勝したチームの練習は(→既に起こった過去に対して思考が発生)」、「成功した指導者はこのような方法を取って優勝した(→既に起こった過去に対して思考が発生)」、「厳しくコーチングすると勝利することができる(→既に起こった過去に対して思考が発生)」
  過去のデータと、今あるチームは違うチームであるのに、成功事例の型にチームをはめようとする。(成功事例は尊重すべきもので、これを学ぶことを否定しているのではないことをお断りしておく) 

 しかも未来の思考に関しては、もっとたちが悪い。
  「一部に上がれなければ・・・(→起こっていもいない未来に対して∞の思考が発生)」、「あんだけ素晴らしい選手が揃っていて勝てなければ・・・(→起こってもいない未来に対して∞の思考が発生)」、「このまま結果が残せなければ・・・(→これまた起こってもいない未来に対して∞の思考が発生)」
  無限に回答があり、永遠に答えがでない。では、どうすればこの∞ループが発生しなく、悩み苦しむことによって破壊されることから開放されるのか?
  それは【存在】を感じることである(らしい、という表現が今の時点で適切であろう)。
  大切なことは、良しも悪しも瞬間を感じることが重要なのである。全て事象を受け止め、感じ、そして手放す(の境地までは至っていないが)。

 未来は神のみぞ知る。神にしか分からない未来の思考にとらわれることなく、今チームにできる、そして今選手にできることを、今コーチ・プレーヤー全員が無理することなく進んでいきたい。