2005/09/26

常葉に勝利するがリズムに乗れず
 第76回東海学生バスケットボールリーグ戦(男子1部)、常葉学園大学と対戦した浜松大学は84対60で勝利したものの、リズムに乗れない試合展開となった。
 第1Qから高村とジョッシュのインサイドで得点を重ね得点差を広げていくランブラーズ。しかし、常葉大は速い展開からのファーストブレイクでポイントし、なかなか得点差を広げることができない。後半に入っても、藤田がリバウンドで得点、また曹英がインサイドで得点するが、常葉大はくらいつき40対31の9点リードで後半戦へ突入。第3Q、高村がフェイドアウェイとTポジションからのジャンプショットで12得点、また山田と小野が3ポイントを決め14点差に。第4Qに入ってインサイドとアウトサイドが得点、最終的に84対60で勝利した。
 ⇒浜松大学のスタッツを確認する!そして次回に生かす!
 ⇒常葉学園大学のスタッツを確認する!そして次回に絶対に生かす!
 ⇒ボール所有の評価で両チームを比較する!そして次回に絶対に絶対に生かす!

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●今、精神論の議論は必要か?3ポイントシュート確率の悪さを考える
 〜 試合後、ある部員達と東海リーグのこの二試合について語り合う機会があったが、その中であるA部員が「やっぱり気持ちが足りなんですかね?やる気をもっと出していかなければ」ということを話した。確かに、【気持ち】【根性】【やる気】などといった精神論は必要かと思われるが、私はあまりそのような言葉で片付けることは好んでいない。むしろ、そういった議論は【ニワトリと卵】で、シュートが入っていないから気持ちに乗れないのか、気持ちが乗れないからシュートが入らないのかは誰も知る由が無い。全ての事象には原因があり結果が生まれる。特に今、大学の試合で一番重要とも言うべき東海リーグ。気持ちが入る・入らないの議論は愚の骨頂である。
 やはり技術論を考えていかなければ(特に確率論的要素が強いバスケットボール)、いつまでたっても「今日は気持ちで相手に負けていた」なんて話で終わってしまい成長ができないだろう。それでは、思春期にある若き選手達の気持ちに勝敗が左右され、スタッフはストレスを感じざろえない。
 ビデオでも確認できるが、シュート確率が悪いのはリズムがシュートへ行くまでのリズムが大変悪いためである。打つべき所で打たなければシュート確率は悪くなる。常葉学園大学戦では、トップオブザキーにいるポイントガードがウィングにボールをリズム良く渡していない(また、インサイドに確りとシールしている高村やジョッシュを見落として、ボールを中に入れない)ため、悪いタイミングでシュートを打っている。
 悪いタイミングで打っているので、ボールがネットをくぐることはなく、またリズム良くシュートを打っていないため、オフェンスリバウンドに入り込むことができない(いつ打つか分からないためである)。
 良いリズムすなわちボールが良く廻っている状態でのシュートは、ディフェンダーの目線は左右(自分のマークマンとボールマンを見なければならない)に振られるため、ボックスアウトをすることが通常のシュートよりも困難となる。今の浜松大学のオフェンスパターンは、ボールが簡単に廻っていない(特に愛知学泉大学)ため、リズム良く打っていない場合が多々見られる。
 そして、最終的な問題はどれほど練習・自主練習でシュートを打っているかということである。「良いシューターは反復練習から生まれる」NBAの名3ポイントシューター:マーク・プライスが話していた言葉が印象深い。脳と筋肉を記憶させるためにもあくなき練習が必要である。
 何にしても3ポイント確率が11.1%では、いくら勝ったといっても誇れるシュート確率ではないだろう。

●私が気になる点!不可能なヘルプディフェンス
 〜 試合中、ベンチのプレーヤーから「あぁぁぁ〜!ヘルプディフェンス〜」とか「しっかりヘルプポジション取ろう〜」なんてな声が良く聞こえるが、私は口を噤んで欲しいケースが多々ある。
 ⇒不可能なヘルプ事例・その1
 ⇒不可能なヘルプ事例・その2
 上記のヘルプ以外にも多くのケースで間違ってベンチのプレーヤーが指摘している。人間という生き物は、自分に否が無いことで咎められるとやる気がなくなるのである。まさに、ベンチプレーヤーに対して、「ヘルプなんか出来るわけないじゃないか。お前がやってみろよ(怒)」ということである。上記の【気持ちが乗らない】のはそういうことかもしれない。
 特に重要なことはフォーメーションオフェンスと違い、ある一定のルールに則ったモーションオフェンスでは、無限に動きがあるため、ヘルプディフェンスに行くことは困難を極める。特にボールが無いサイド:ウィークサイドでのスクリーンがあった場合は、不可能である。
 コートのメンバーとベンチのメンバーの共通した認識が必要である。

●ターンオーバー
 〜 今回もターンオーバーが13を越してしまった。前にも説明したように13ターンオーバーは不吉な数字で、これを越すと急速に負ける確率が上昇する。13ターンオーバーで、今回の試合での1回の攻撃に対する得点の期待値は1.04ポイント。すなわち、13×1.04=約14得点を無駄にしてしまったことである。
 今回、幸いだったのは、常葉学園大学も同じく12ターンオーバーしているため、得点が開かなかったのである。
 ⇒13日の金曜日・・・。不吉な数字は負けをもたらす

1巡目が終了し、来週から2巡目に突入する浜松大学。さらなる成長を目指し調整を期待したい。