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2005/05/16

リーグまで課題多し。早急な意識改革

　帰路の車中、木宮監督と話していた私はある一言に『エッ？もう2ヶ月しかないんすか？』と驚きを隠せなかった。平成17年春季静岡県学生バスケットボール大会(女子3位決定戦)、常葉学園短期大学と対戦したランブラーズGは39対86の大差で完敗、昨年から結果を伸ばすことができなかった。
　静岡⇔浜松の車中、時間がある二人はランブラーズGについて話し合った。気になる点として下記のことがあげられた↓

①　ターンオーバーの多さ
　彼女達の負試合の平均ターンオーバー数は一試合当たり23.6回。女子の場合、1チーム一試合当り約60～70回のオフェンス回数があるが、この場合約25～30％を無駄に、つまり3回に1回はダイヤモンド(ボール)を捨てている(ターンオーバー)している計算となる。異常な事態だ。対する相手のターンオーバー数は2～4回ととても少ない。すると、ダイヤモンドを得た相手チームの攻撃回数は通常の1.5～2倍となる。しかも、多くのターンオーバーを発生させてしまうチームはオフェンス力が劣っている場合が多く、確率論から話すと、このダイヤモンドを大切に扱わないチームは絶対に勝つことはできない。しかも、ターンオーバーをする位置がトップ・オブ・ザ・キーからウィング付近(ハイポストフラッシュに対するパス)為、ミス＝速攻→得点となってしまう。一般的に、女性のみならず男性も宝石の美しさ魅力を感じると思うが、バスケットボールにおけるダイヤモンドというべきボールには輝きを感じていないのか、それとも価値を理解していないのか、いずれにしてもこのダイヤモンドを大切に扱うべきである。
　具体的な是正箇所は、まずプリメーターエリア付近でミートでボールも貰っていない。いつもスタンディングの状態からボールを貰おうとしているので、相手はディフェンスが楽である。ミートで貰うことができるとペネトレーションも今より用意に抜けるだろう。
　そして次にパスをする時、ボールを頭の上に両手であげて棒立ちになり、レシーバーを見ている状態になっているケースが多い(去年の西日本大会男子、大阪商業大学戦32回ターンオーバーによく似ている)。通常、このような場合は体の重心が後ろ向きになっており、ディフェンスのマークマンが張り付かれる状態になっても振り解くのには困難を極める。基本姿勢はトリプルスレット(パス＋シュート＋ペネトレーションの3つの選択が可能なポジション)。相手は抜かれるのが怖いから後ろに下がる。下がるからシュートが打てる。
『1対1もオフェンスの選択肢の一つにすぎねぇ。
それが分からないうちは、おめーには負けるきがしねー』
(29巻／後半残り4分29秒／57対74／山王戦：by仙道)
　そして、速攻におけるターンオーバー。一見、パスが入ると判断しても、取る相手が取れなければミスになる。速攻で得点が入らないのであれば、セットオフェンスで得点を重ねるべきである。10回に1回のナイスパスより、10回中10回の安全さをスタッフは求めている。

②　3ポイントシュートの確率の低さ
　負け試合の3ポイント確率は20％を切る。何故なのであろう。プレッシャーが強いのか？それともシュート力がないのか？
　男子バスケ部を例に考えてみたい。もし私がヘッドコーチで、点差2点残り5秒で3ポイントシュートを誰に打たせるか？との問いがあったら、間違いなく安藤弘久か小形俊介のどちらかをコートに出すだろう。なぜならば、この二人はたえず体育館でシューティング練習に勤しんでおりシュート確率が高い。一日何時間もシューティングに精を出す。この二人を試合に出したら最後に逆転する高い可能性がある。そしてもし万が一、努力しているプレーヤーが最後、ミスをしても全然悔いが残らない。なぜならば自分が信頼して出した選手だからである。逆に、どんなに点差が離れていようとも、努力をしないプレーヤーがルールを無視して怠惰なシュートを打つのは【入る】、【入らない】を抜きにして苛立ちを隠せない。結果オーライを笑顔で容認すること監督にとって恥ずべきことだ(但し、最後の四年生引退試合などを除いて)。
　恥ずかしい話、私は彼らや彼女達のような類稀な運動能力があるわけではない。アウトサイドシュートが苦手である。だから、よく入る選手の感覚が理解できない。そこで、スタッフとしては何でも知っているかの如く振舞う必要があるのかもしれないが、二人にシュートが入るコツを聞いてみた。
　『シューティング練習でしょ・・・』と当たり前のことを質問したように応えた。ＮＢＡの名シューターも『Practice！Practice！Practice！』と話す。
　彼女達が練習の成果が出てシュートを決め喜んでいる姿をみれるほど嬉しいことはない。
※(付加)：筋力トレーニングも重要な要素であり、バランス感覚を向上させる

③　ボックスアウトの不徹底
　ホームページを良くご覧頂いている方にはもう言うまでもなく、しつこいと思われるかもしれないが、現在のランブラーズGのほとんどの選手が、シュートを打った後にリングを凝視し、背後からオフェンスマンに飛び込まれているケースが多い。ボックスアアウトを完全に忘れているのである。基礎的なことを全く無視して『勝ちたい』と言うのは、ただの夢物語である。私自身の結論から話すと
　★ボックスアウト＝習慣＝勝利
である。朝起きての朝食。歯磨き。挨拶・・・。友達との会話やメール、仕事での働きぶり、ｅｔｃ。全てが個人の習慣である。そしてバスケットでは、ボールを貰ってノーマークだったらシュートを打つ。ディフェンスの時には手を上げ大きく見せ少しでもシュート確率を下げる。ベンチでは監督の指示に従う、ｅｔｃ。全てバスケットも習慣である。しかし、ボックスアウトに関してはその価値を理解していないプレーヤーが多すぎる。
　考えてみて欲しい。上記に記載したような習慣に対して→朝食を食べさせない、歯磨きをさせない、挨拶をしない、友達との会話やメールも一切禁止、威圧的な経営者の元での仕事。生活リズムを崩すことは言うまでもないだろう。バスケットも同じことである。普段、ボックスアウトの重要性を理解していないプレーヤーは、試合中に一つ作業が増えるのである。そして飛び込んでくるプレーヤーに対して困惑し自らのオフェンスリズムを崩すのは当たり前である。信用して欲しい↓
　★リバウンドを制するものはゲームを制す
　(28巻／後半残り8分10秒／49対63／山王戦：by赤木)
約13年前の、あの名作漫画のような読んでいると自然と涙がこぼれる感動を味わいたい。
　
　上記の他にも色々と問題点が浮き彫りになったが、木宮監督が『8月からもうリーグ戦だしな』と話した。正直、ゾッとした私。『エッ？もう2ヶ月しかないんすか？』。昨年、1点で泣いたあのリーグ戦があと60日足らずで開催される。チームの完成度はどうか？シュート力はどうか？脚力はどうか？ディフェンス力はどうか？そして基礎的な約束事項の徹底はどうか？リーグ戦とはいえ、一度の敗北が2部昇格の大きな障害となる。
　ラストダンスを飾る試合を展開してくれるかどうか、彼女達の意識改革を信じている。